チェロ弓の改良?

2020/07/11

 このところ雨天が続いている。湿度も上がりっぱなしだ。結果、筆者のチェロ弓の一つに不具合が生じた。スクリューを一杯に締めても毛がロッドから5mm程度しか離れない。つまり、湿度で毛が伸びてしまったのだ。この弓は以前からスクリューを一杯々々締めないと毛がロッドから演奏し易い6.5mm位にならなかった。部分がにぶつかっているのだ。


 弦楽器屋さんに相談したら、場合によっては毛替えということになるとのこと。この弓は中国製の廉い(確か17000円くらいだった?)カーボン弓(カーボンであることはテスターで導電性を確認した)で予備用のものなので、自分で改造を試みた。
 のところを少し拡張するのが最も簡単なので、ドリルを使って広げた。写真はバイスで挟んでいるが、直接バイスで挟むのは危険だ。更に、弓のロッドのような丸いものを挟む冶具を使った方が良い。そうすれば、あまり強く挟まなくてもロッドを固定できて安全である。筆者の場合、そうした上で、更に、ドリル刃が当たる下に支えの木を置いた。


 拡張結果‥‥やや位置ずれが生じたが、修正可能な範囲だ。


 結果は、使いやすい弓の張りを得ることができた。
 場合によっては、の部分の拡張だけでは、


の雄ネジ部分が足らなくなる場合がある。この場合、スクリューのつまみの前にのように何枚かワッシャーをかませると良い。ただし、これも余り多くをかませると、スクリューの先がロッドの弓先側の穴に届かなくなり、スクリューがフロッグを支えきれなくなるので注意が必要である。また、ダイスを使って雄ネジを延長するのも手だが、スクリューのネジはメートルネジではない(多分インチネジ)ようなので注意する必要がある。


 スクリューの先がロッドの穴に届かなくなってしまった場合(普通、こんなことになるのは最初の毛の長さ設定ミスだが)は、毛の張替えが一番まっとうなやり方だが、筆者の場合、「乗りかかった船」ということで、ここでは掲載しないが腹案はある。

 上記のような滅茶苦茶なやり方は専門家は決してやらないだろう。あるいはプロのチェリストから見てもトンデモナイことだろう。弓のバランスが悪くなるとか、巻皮との間隔が増えるので拙いだろうとか、色々と非難されるかも知れない。しかし、筆者の様に、60歳を越えてから始めた者にとっては、ちょっと持ち方を工夫すれば、前とほとんど変わりなく使えるように感じられる。別の弓に持ち替えたときとの違いに比べれば無視できる程度の違いである。「そんなことをしているから上達しないのだ!」とのお叱りを受けるかも知れないが‥‥。
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