車の故障とその原因,付帯的判明事項(2005/11/18)


  1. 車故障(2005/11/10)
     帰宅時、マルショク寒田店前の交差点で一時停止して、発進しようとしてクラッチを踏んだら、「バツッ」と音がして、クラッチが全く継らなくなった。エンジンは正常なのだが。交差点なのでおお慌てで車を押して(幸いわずかに下り坂だった)交差点から出たが、交差点のちょっと先で、停止。これでもじゃまになるのでどうしょうかと思っていたら、マルショクのところにいた青年が押してくれて左側にあった調剤薬局の駐車場に入れた。
     この道は、鬼門だ。大分に来てすぐ、東木団地入口のT字路で追突され、次は、土砂ぶりの深夜に上記の交差点(赤の点滅信号)で完全停止せずに徐行して進んだら信号無視の反則金をとられた(そのため,ここは,必ず一時停止するクセがついた)し、つい最近も、ブックオフ敷戸店前でキー付近から発煙するし、ろくなことがない。JAFに電話してホンダプリモまで牽引してもらった。
     故障は恐らく、クラッチのプレッシャープレート(クラッチをフライホィールに押しつけるパーツ)の破損と思われる。かなりの重傷。クラッチが切れなくなる,という故障ならばクラッチワイヤー切れのような軽傷なのだが・・・。 車屋の話では、4〜5万円の修理代とのこと。つい先日、フロントドライブシャフトのブーツを交換して2万円ほど掛かったばかりなのだ。


  2. 車故障の原因(2005/11/11)
     車の故障の原因は、先日のドライブシャフトブーツ交換の際の後の組み付けの手落ちが原因とのこと。詳細を訊きに行く予定。


  3. 車故障の原因(2)ケガの功名(2005/11/12)
     車の故障の原因について詳細を聞きに行った。「工場長」という若い技師が出てきて説明してくれたが、要領を得ないので、図面を見せて説明するように要求した。ところがデファレシャルやドライブシャフト付近の細かな構造図が無い。サービスマニュアルはあるのだが説明用には不十分であった。しかも、この工場長は相手が素人と思ってか、あるいは自分が解っていないのか(どうも後者のようだった)、まるで理屈にならない説明をする。
     この工場長が言うには、ドライブシャフトを組み着ける際に、シャフトの脱落防止のためのワッシャのようなもの(正式の名称は知らない)を入れるのだが、その強度が十分でなかった、とのこと。まず、この説明が妙。そもそも、それ用のパーツの強度不足など普通はありえない。実際にはそのパーツを入れ忘れたのではないかという疑いが濃い。
     更に、もう一つ重大な問題があった。今回の故障は、エンジンが回っているのに全く駆動力が無くなった。それで、筆者としてはクラッチの故障と判断したのだが、前輪のドライブシャフトの抜けということになると、故障の様態と矛盾する。なぜならば、筆者の車はセンターデフ無しのオンディマンド(リアルタイム)型4WDなのだ。もし、前輪が空転したら後輪に駆動力が発生して自力で動けたはずである。
     この点を問い質すと、くだんの工場長は、「前輪のドライブシャフトが抜けたため、一種のニュートラル状態になって(?!『何をバカなことを!』と言いたかったが・・・)後輪に駆動力が伝わらなかった。」という。これは、この車の構造上ありえない話である。
              エンジン
                ↓
              クラッチ
                ↓
              トランスミッション
                ↓
              分配ギア→前輪デフ→(等速J)前輪ドライブシャフト(等速J)→前輪
                ↓
              [4WD解除機構:ここが「解除」状態になっていた]
                ↓
              後輪プロペラシャフト(前半)
                ↓
              [ビスカスカップリング:普通の4WDには無い]
                ↓
              後輪プロペラシャフト(後半)
                ↓
              後輪デフ→(等速J)後輪ドライブシャフト(等速J)→後輪
    
                 動力伝達系統図
            
     先日の修理(つまり事の発端)は、上図で、前輪の「等速J」すなわち等速ジョイントのブーツ(ゴムカバー)の交換であった。
     上図の動力伝達系統において、「分配ギア」のところは、前輪デフより前にある。構造上、前輪デフが壊れても後輪には動力が伝わるはず。(通常のフルタイム4WDだとここの部分がセンターデフになる。その場合には、前輪のデフが空回りをすると後輪に駆動力が伝わらなくなる場合がある。そのため、ここにLSDやトルクスプリッター機構を採用している場合が多い。)
     あまりにもおかしな説明をするのでしつこく矛盾を追求すると説明に窮し、以前からいる別の技師に相談にいった。ついて行ってその技師に矛盾点を伝えると、この技師はよく解っていて、すぐに「確かにそうだ。」ということで、車体を持ち上げてテストしてくれた。その結果、なんと、前輪は回っているのに後輪は回っていない。つまり、4WDでなく、2WD状態になっている。
     オンディマンド型4WD車には、前輪のみを吊り上げて牽引するような場合に分配ギアなどを傷めるのを防ぐために、2WD状態にする仕掛けがあり、その切り替えレバーがエンジンルーム内から操作できる。前のドライブシャフトが抜けて、後輪に駆動力が伝わらなかった原因は、これが2WD状態になったままだったからだ。しかも、そのレバーは折れていて4WD状態に戻せない。筆者は、当の車を4WDの車として買ったのであり、売る方も4WD車として売っている。これは場合によっては詐欺になる。車屋は非を認めて無償で修理してくれるとのこと。しかし、買ってから5万km幸か不幸か雪道を走る状況にならなかったので発覚しなかった。今回車屋がデバッグ(ブーツ交換)でバグ(ドライブシャフト組付け不良)を入れてくれたおかげで2WD状態ということが発覚したのは「ケガの功名」だった。
     この修理のついでにエンジンマウントのゴムブッシュが一つ割れていたのを交換してもらった。アクセルを踏んだときの「ジャガジャガ」音が無くなり,静になった。



「車」のページへ