事の発端(蚕が我が家にやって来た)
We have a thousand of silkwarms


1998/6/22更新

 現在、我が家には蚕が数百匹生息している。大学の生物学科に行っている息子が、実験に使用した蚕の蛹(いわゆる繭)を持ち帰ったのが羽化して卵を生み、それが孵ったのである。家内が毎日庭の桑の葉を取ってきて与えている。実際に飼ってみると、意外に気持ち悪くないものである。
 しかし、このまま大きくなった場合家中が蚕だらけになってしまいそうだし、餌の桑の葉も家の桑の木だけでは間に合わなくなる。そう言っている内にも蚕はどんどん大きくなってくる。最初2〜3ミリの体長だった幼虫も1cmを超える大きさになってきた。妙な喩えだが、浮気相手の妊娠を知らされてどうしょうどうしょうと考えている内に、相手のお腹がどんどん大きくなってきて焦っている図が連想されて、なんか可笑しくなってしまった。家内は、岡山の山里に住んでいて養蚕の経験がある叔母に送ろうか、などと言っている。
 孵化直前の蚕の卵というのは、直径1ミリ位の球を少し押しひしゃげたような、碁石の角をとったような形である。中の幼虫が育ってくると色が黒っぽくなるが、これは、中の幼虫の黒い色が透けて見えているので、孵化して幼虫が出てしまうと白くなる。出てきた幼虫はすぐに桑の葉にとりついてどんどん食べてどんどん成長する。2〜3ミリの幼虫にどんな歯?がついているのか、凄い速さで葉の表面を喰う。最初黒い幼虫もすぐに灰色の斑模様になる。


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