産業革命(女房は知っていた)
An introduction of a "machine"
and my wife knows ...


1998/6/30更新

 6月10日、女房が糸を巻き取る作業が大変疲れると言うので、園芸店から、植木鉢用のプラスチックの皿を2つ買ってきて、簡単な巻き取りリールを作成した。

また、先日は作業を台所のレンジの前で立ってやっていたのを、カセットコンロを居間のテーブルに置いてそこで腰掛けて作業ができるようにした。これにより、作業が格段に楽になり、能率も数倍になったそうだ。6月8日の失敗の原因は一度に処理する繭の数が多すぎたことと加熱温度が高すぎたことであったようなので、今回は、5個の繭で、カセットコンロの炎を非常に小さくしてやってみたら、かなり巧くいった。また、匂いもほとんど感じない(慣れたせいもあると思うが)

 繭の糸を巻き取ってみると、ご存じの方もあると思うが、驚いたことに、中の蛹が透けて見えてくるまで解いても全部一本の糸としてつながっていることである。

奥の方の、蛹が透けて見えるのは、
糸をほとんど巻き取ってしまった繭。
手前のものは巻き取り始めの繭。

赤いシャツのお腹の辺りに、向かって
右下がりに光っているのが絹糸である。
これでも5本の糸を束ねてある。

 ところで、繭の糸の端はどうして見つけるかご存知だろうか?これは、繭を湯に入れると目には見えないが、自然に端がほぐれてくるのである。その見えないほぐれた端は、抹茶を泡立てる茶せんを湯の中につっこんで、繭の周りをくるくる引っ掻き回して持ち上げてやると面白いように引っかかって上がってくる。

女房はこんな技術をどこで仕入れてきたのか、驚いて聞いてみると、「どこかで聞いた事がある」のだそうである。

 この改善で1時間に30個位の繭を処理できるようになった。とはいえ、まだ、繭は生きたままのものが300個以上あり、これが羽化するのと競争で作業をしなければならない。羽化してしまったものは、しかたがないので、捕まえてポリ袋の中で死んでいただく。
 羽化する前になんとか、巧く一度に全部死んでもらう方法は無いかと考え、ドライアイスで窒息死させることを考えたが、ある程度の量のドライアイスを手に入れるのは、個人では難しいようである。専門家は、生きた繭を乾燥室に入れて加熱乾燥させて蛹を殺し、保存可能にしているそうである。


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